DO for 循環型社会

ビルの谷間を、「本物の森」として再生。サステナブルなまちづくり、大手町の森プロジェクトの軌跡

貢献するSDGs目標

  • 3.すべての人に健康と福祉を
  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 13.気候変動に具体的な対策を
  • 15.陸の豊かさも守ろう
  • 目標3 すべての人に健康と福祉を
  • 目標11 住み続けられるまちづくりを
  • 目標13 気候変動に具体的な対策を
  • 目標15 陸の豊かさも守ろう

「多様性」を大切にした都市と自然の再生プロジェクト

2014年4月に全体竣工した大手町タワー(東京都千代田区)は、敷地面積の約3分の1が「大手町の森」と呼ばれる緑地です。これは一般的な植栽とは違い、多様な生態系を保つ本物の森として計画されました。
「都市を再生しながら自然を再生する」という開発コンセプトのもと、千葉県に検証用の山林スペース(プレフォレスト)を確保し、そこから土壌や植物を移植して自然の森を再現しました。

めざしたのは、「人が心地よく、生き物が棲みやすい、自然・郷土の森」。生態ネットワークの形成など環境面の効果はもちろん、地上と地下を行き交う人々の新しい交流の空間としての整備も意識しています。
地下鉄5駅に囲まれたまさに東京の中心地ともいえる場所で、多様性あふれる本物の森が、新たな都市のにぎわいを創出しています。

森は、ヒートアイランド現象の緩和と水の循環利用に役立つ

大手町の森の整備効果は、ビル敷地内だけに留まりません。皇居など周辺の緑地と風の循環を生み出し、ヒートアイランド現象を緩和しています。開発後は敷地内で1.7℃、周辺敷地でも0.3℃の平均気温の低下が観測されました。またビルの屋根、森の人工地盤へ降った雨を植栽への灌水に利用するなど、水の循環利用も行っています。

208種の植物、129種の昆虫、13種類の鳥類が育ち、行き交う森

2014年の竣工後には301種類の植物を確認。樹木の成長とともに適者生存が始まり、2021年時点では208種類に落ち着き、日陰を好むシダ類などが増えました。絶滅の恐れのあるレッドリストに該当する新種も発見されています。
昆虫は129種、レッドリストに記載のトンボも確認。鳥類はハヤブサなど13種類。タヌキもまれに訪れます。本物の森だからこその豊かな多様性。今後は特色ある樹林環境を活かしたイベントなどの開催も予定しています。

  • ウラナミアカシジミ
  • ムスジイトトンボ
  • ヤマトシジミ
  • ホシホウジャク
  • タヌキ
  • タカ
  • ハヤブサ
  • メジロ
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