八重洲プロジェクト

国際都市東京に、 最先端の ウェルビーイングを

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PROJECT STORY_02 YAESU PROJECT

八重洲プロジェクト

国際都市東京に、 最先端の ウェルビーイングを

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PROJECT STORY_02 YAESU PROJECT

プロジェクトの背景

1年を通して、より多様な人が
訪れるまちを目指して

東京駅八重洲中央口を出た目の前という、日本を代表する希少な場所において現在、大規模再開発が進行している。地元権利者の方々と共に東京建物も再開発組合の一員となり事業を進めている「東京駅前八重洲一丁目東プロジェクト」(以下「八重洲プロジェクト」)だ。10階建のA地区と、51階建のB地区で構成され、両地区合計の延床面積は約250,000㎡にもなる超高層の再開発事業である。オフィス・商業施設に加えて、バスターミナル・医療施設・劇場カンファレンス・住宅なども整備される複合施設で、2025年度の竣工を予定している。

もともと町人のまちとして発展してきたこのエリアには、飲食店や賃貸オフィスを中心とした中小規模のビルが連なっており、平日は多くのビジネスパーソンが行き交うなど、賑わいが魅力的なまち。しかし、土日は平日と比較するとまちを歩く人が少ない傾向があり、敷地の細分化や建築物の老朽化により、防災面での課題も指摘されていた。「まちの魅力を活かしながら課題を解決するまちづくりができないか」。そんな想いが長年、地権者の間に募っていた。

東京建物のノウハウを活かし、
八重洲プロジェクトの推進をサポート

地権者の間でまちづくりに関する勉強会が開催されたのは2000年代半ば頃。以来、このエリアに本社を構えていた東京建物も、地権者の方々と将来のまちのあり方について継続的に話し合ってきた。そのうえで、国際競争力に資する機能として、様々な都市へのアクセスを支えるバスターミナル、国際会議を開催するためのカンファレンスホール、国内外企業のヘッドクォーターを誘致できるハイグレードオフィス、外国語対応の国際医療施設などを計画に加え、再開発準備組合により都市計画提案が行われた。

東京建物はデベロッパーとしてのノウハウを提供するかたちで、準備組合の頃から、施設計画の検討や事業推進のサポートに携わってきた。2015年に都市計画決定し、2019年の再開発組合設立認可、2020年の権利変換計画認可を経て、2020年10月に解体工事がスタートした。そして2021年、具体的な内装計画やソフトサービスを決めていくフェーズで着任したのが、ビルマネジメント部門から異動してきた三浦だ。オフィスと劇場を中心に事業推進を担当し、特に力を入れているのが「ウェルビーイング」をテーマにしたオフィスの商品企画だという。

TAKUMI
MIURA

三浦 拓実

プロジェクト担当者

三浦 拓実

都市開発事業第一部
2010年入社
商学部 商学科卒

STORY
TELLER

ストーリー1

STORY_01

多様な文化・エンタメを発信できる
「劇場カンファレンス」へ。

都市計画の提案にあたり、八重洲プロジェクトでは国際競争力を高める都市機能の導入が求められました。そのひとつとして都市計画提案に織り込まれたのが、国際会議・学会・セミナーなどを開催するカンファレンスホールです。ただ、八重洲にはオフィスワーカーだけでなく、古くから商いを営む方やお住まいの方もいます。この多様性は、丸の内や銀座にはない魅力。この歴史に立ち返り、本当にこのまちに必要な機能は何か、専門コンサルタントを中心に権利者の方々と一緒になって話し合いを重ねた結果、ビジネス色の強いカンファレンスホールという機能だけでは不十分なのではないかという議論に至りました。

八重洲周辺エリアの課題は、より多様な人に訪れてもらえるまちになることだと感じています。オフィスワーカー以外の人々を呼び寄せて、このまちの人々と接点をつくっていくためには、文化や娯楽といったコンテンツが必要になってきます。それを考えたとき、演劇や音楽ライブを開催できる劇場の機能が必要ではないかと。段床式の劇場を整備し、平日はビジネス系のイベントを中心に開催、土日はファミリー層が楽しめるコンテンツを、あるいは外国人旅行客に向けて日本の伝統芸能に触れる演目を上演してもいい。日々中身を変えて、多様なニーズに応える仕組みがこのまちらしさに繋がるのではと議論を重ねてきました。

劇場は都市計画決定の内容には含まれていない用途でしたが、本来の目的である「国際競争力」の観点からもプラスになるとアピール。行政からも了承を得ることができました。その後、権利変換計画で当社が劇場カンファレンスを取得することが決定し、現在はどんなパートナーと運営し、どんな演目・イベントを開催するか、私が中心になって検討を進めているところです。

ストーリー2
ストーリー2

STORY_02

ウェルビーイングの時代へ。その先陣を切るために。

オフィスの商品企画については、どんな価値をお客様に提供していくか、そのためにどんなソフトサービスが必要かを検討しています。やはり無視できないのは、コロナ禍を契機に進んだ働き方の抜本的な見直しです。在宅ワークと出社を組み合わせたハイブリッドワークがスタンダードになり、従業員同士が離れて働くことが常態化。八重洲プロジェクトは東京駅前の一等地という好条件ですが、従前のようなオフィス空間をつくるだけでは、中長期的にテナント様に選ばれ続けるのは難しいかもしれません。出社するに値する意義や魅力は何か、多くの会社が模索しているところです。

そのひとつの答えが、「ウェルビーイング」の達成だと私たちは考えています。ウェルビーイングとは、身体的、精神的、社会的に健やかで満たされた状態を指す概念。SDGsの次に社会的関心を集めているテーマがウェルビーイングとも言われています。現在、SDGsの達成が盛んに叫ばれていますが、社会課題の解決やサステナブルな社会を実現することが当然のこととして根づいたとき、次に直面する課題こそが、一人ひとりの生活の質や満足度に注目し、一人ひとりが多様な選択をする中で人生を充実したものにできるか。つまりウェルビーイングな社会の実現なのです。

ウェルビーイングを意識した不動産開発については、これまでにもさまざまな事例があります。ただ、緑・自然環境に焦点を当てたウェルネスの要素が強く、「なんだか居心地が良さそう」「リフレッシュできそう」「なんとなく楽しく働けそう」という感覚に訴えるものに終始しており、個人や企業に対してウェルビーイングの意義や効果を伝えるメッセージはあまり明確ではなかったのではと思っていました。八重洲プロジェクトではさらに踏み込んでメッセージを届けるべく、ウェルビーイングに取り組む根拠や裏付けをきちんと示したうえで、具体的な空間とサービスに落とし込めるよう、さまざまな下準備を進めています。

ストーリー3

STORY_03

理論・データとサービスを繋いで
ウェルビーイングの向上を。

ウェルビーイングという概念は個人の主観性で判断されるものであり、日常的な測定が難しいことが課題となっていました。そこで今回、当社として専門家の方と協働して大規模調査・分析を行い、オフィスに入居する従業員一人ひとりが自身のウェルビーイングの状態を気軽に把握できる仕組みを導入する予定です。加えて、自身の状態に応じて、ビルやまちで展開するサービスを選択することでウェルビーイングの向上を達成できる、そういった価値提供を八重洲プロジェクトで目指しています。

また、ウェルビーイングの向上を目的としたテナント従業員向けの空間もつくる予定です。例えば、仕事に煮詰まった際に気分をリセットできる。美味しい食事を通じて地域との繋がりを感じる。イベントに参加し、新しい出会いや学びを得られる。一人ひとりにとってのウェルビーイングが違うからこそ、様々なシーンで利用できるスペースを用意すべく検討を進めています。一人ひとりが自分らしくいきいきと過ごしながら、周囲の人との心地よい関係を生み出す。個人はもちろん、職場で一緒に働く周囲の人たちも活性化し、オフィスに入居する企業そのものの価値が高まっていく。そんな循環を、八重洲プロジェクトで実現したいと思っています。

ストーリー4

STORY_04

建物というより、新規事業をつくる仕事。

デベロッパーの役割は、箱をつくって終わりではありません。その箱の中に、どんなサービスやコンテンツを用意し、テナント様との接点の中で、どんな過ごし方を提供できるかが最も重要なのです。そのためには、社内の関係者、設計施工会社等のパートナーだけでなく、一見関係のない他業界の大企業やスタートアップ、研究者の方々等を巻き込んで新たなサービス・価値を模索していく必要があります。もはや都市開発の枠組みを超え、新規事業を作っている感覚に近いかもしれません。0から1をつくることは非常に難しいですが、新しい価値を世の中に提供するチャンスという意味でやりがいにあふれています。

今後の目標は、権利者の方々と協働し、何よりもこのプロジェクトを無事に竣工させ、テナントや多くの来訪者に選んでいただける施設にすることです。加えて個人的には、なかなか浸透するまでに至っていないウェルビーイングの概念を、八重洲プロジェクトを皮切りに八重洲・日本橋・京橋のまちや他用途のアセットにも展開し、一歩も二歩も前進させたいですね。世の中で求められる価値観が広まってからそこに乗るのではなく、次世代デベロッパーとして、私たちが自ら新しい価値を創出し、社会課題の解決に繋げていく。そんな意気込みで、引き続き力強くプロジェクトを推進していきたいと思います。

プロジェクト関連ニュースリリース


※記事内容および社員の所属は取材当時のもの、在籍時の部署名称となります。