DO for 脱炭素社会

都市部の温暖化対策に貢献。求められる大規模ビルのZEB化

貢献するSDGs目標

  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 13.気候変動に具体的な対策を
  • 目標11 住み続けられるまちづくりを
  • 目標13 気候変動に具体的な対策を

世界の気温は地球温暖化によって過去100年で約0.7℃上昇していますが、東京・名古屋・福岡など日本の大都市では2.9~3.3℃上昇しているとのデータもあり、都市部の温暖化対策が急務となっています。
経済産業省が2019年にとりまとめた資料※1によると、年間で着工された新築建築物のうちオフィスビルなど延べ面積10,000㎡以上の建築物は、棟数ベースでは全体の1%程度である一方、エネルギー消費量ベースでは36%程度と大きく、新築建築物全体のエネルギー消費量に与える影響が大きいことから、特段のエネルギー消費削減が求められています。
東京建物グループでは、脱炭素社会の実現に向けた温室効果ガス排出量削減の中長期目標を掲げ、CO2排出量※2について「2030年度までにScope1・2は46.2%削減(2019年度比)、Scope3は40%削減(2019年度比) 、2050年度までにネットゼロ」を目指しています。また、中長期目標の達成に向けては、プロセス目標の一つとして「ZEB(ゼブ)※3の開発促進」を設定しています。
今回は、東京建物が携わるZEBの事例のひとつとして、「Hareza Tower(ハレザタワー)」をご紹介します。

超高層複合用途ビルで初のZEB Ready認証を取得

2020年、「国際アート・カルチャー都市構想」を推進する東京都豊島区の中心・池袋に、オフィス棟「Hareza Tower」、ホール棟「東京建物Brillia Hall」、「としま区民センター」および「区立中池袋公園」で構成される「Hareza池袋」が開業しました。「誰もが主役になれる劇場都市」をコンセプトに、多様な文化を世界に向けて発信する8つの劇場空間を設けることで国内外から多くの来街者を誘引し、新たなにぎわいを創出しています。

地上33階建のオフィス棟「Hareza Tower」は、1フロア約500坪、整った貸室形状で、室内に柱が無くレイアウト効率に優れた整形無柱空間を提供する高さ約158mの超高層オフィスビルであり、国内最高レベルの環境対策を行っています。オフィスにおけるエネルギー消費は照明と空調が占める割合が大きいため、それぞれエネルギー削減に向けた取り組みを行うことで年間のエネルギー消費量を約50%削減し、超高層複合用途ビルで初のZEB Ready認証(事務所用途の部分評価)を取得しています。

<照明の主なエネルギー削減施策>

オフィスの室内照明の照度は一般的に700~750lxが標準ですが、様々な実証実験などを踏まえ、業界に先駆けて500lxの設定を実現しました。単に照度を下げるのではなく、光の反射率の高いタイルカーペットを採用したほか、エレベーターホールや廊下などの共用部とオフィス室内に照度・色温度差を設け、空間の明るさ感を損なわない計画としています。

<空調の主なエネルギー削減施策>

メーカーと開発したグリッド型空調機・グリッド型加湿器の採用により、従来の隠ぺい型空調機より搬送動力を低減しています。また外気温度、室内温度と設定温度の差などのセンシングデータを活用し、空調機の高効率な最適運転制御を行うシステムを採用しています。

これらの施策により高い環境性能を実現し、事務所用途部分においてZEB Ready認証を取得しました。
一般的にビルが高層化するとエレベーターなどの搬送動力が大きくなる一方で屋上太陽光パネルの創エネルギー率が小さくなるため、超高層ビルのZEB化の難易度は高い傾向にあります。
そうした中で、先進的な取り組みと運用面の工夫によりZEB化を実現したことが評価され、2022年度省エネ大賞(省エネ事例部門)の最高位である「経済産業大臣賞(ZEB・ZEH分野)」※4などの賞を受賞しました。

【ZEBの定義】

原則として新築するすべてのオフィスビルをZEBに

東京建物では、原則として新築するすべてのオフィスビルを、ZEBにするという目標を掲げています。今後も先進的な取り組みによりエネルギー消費を削減し、環境負荷の低減や利用する人々への快適性の提供を目指すとともに、これまで以上に脱炭素の取り組みを強化していくことで、サステナブルなまちづくりを推進し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

  • ※1:「令和元年度ZEBロードマップフォローアップ委員会とりまとめ」
  • ※2:Scope1、Scope2、Scope3 の総量
    Scope1:東京建物グループでの燃料使用による直接排出量
    Scope2:東京建物グループが購入した電気・熱の使用による間接排出量
    Scope3:その他事業活動にともなう間接排出量(建物の建築工事や販売した不動産の使用等)
  • ※3:「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略称で、断熱や省エネなどのエネルギー消費低減と発電によるエネルギー創出を総合して、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指した住宅。
  • ※4:省エネルギー意識、活動および取り組みの浸透、省エネルギー製品等の普及促進に寄与することを目的とし、一般財団法人省エネルギーセンターが経済産業省の後援を受け、事業者や事業場等において実施した他者の模範となる優れた省エネ取り組みや、省エネルギー性に優れた製品並びにビジネスモデルを表彰するもの。
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