2026年06月30日

プロジェクト紹介

「暮らしのインフラ」を目指して。まちと共に育つ地域密着型商業施設「minanoba」の挑戦

東京建物が新しく立ち上げた地域密着型商業施設のブランド「minanoba(ミナノバ)」の1号物件「minanoba相模原」(神奈川県相模原市南区)が2025年3月、グランドオープンしました。「minanoba」がどのように人々の暮らしに豊かさを提供する商業施設なのか、地域密着型商業施設のブランドが見据える未来の姿はどのようなものなのか。新たな施設の開発を通じて社会的要請に応えていこうとするプロジェクトの挑戦をご紹介します。

商業施設

社会的要請に応える地域のコンパクトなショッピングセンター

minanoba相模原外観

minanoba相模原は、小田急電鉄小田原線「小田急相模原」駅より徒歩9分、県道51号(町田厚木線)に面した交通利便性の高い場所に立地し、食品スーパーやドラッグストア、100円ショップといった日常使いの店舗のほか、飲食店、クリニック、英会話教室など14店舗が入居しています。建物は2階建てで、延べ床面積は約8,600㎡。東京建物が初めて手掛けた「NSC(Neighborhood Shopping Center)」と呼ばれる、コンパクトなタイプのショッピングセンターです。

これまで多様な商業施設を手掛けてきた東京建物が、新たな事業領域としてNSCの開発構想をスタートさせたのは2022年のことでした。どのような商業施設をつくれば、地域住民の利便性を向上させ、社会的な要請に応えることができるのか。まず着目したのは、消費者ニーズの変化です。

当時は、コロナ禍で生活スタイルが大きく変化していた時期。ハイブリッドワークの定着やEC利用の拡大により、自宅周辺で過ごす機会や時間が増えていました。また、子育て世代を中心に共働き世帯が増え、限られた時間で生活必需品をワンストップに揃えたいというニーズは、以前から高まりを見せていました。さらに、移動に制約があり、EC利用に不慣れな高齢者も増え、そこへ行けば日常生活に必要な様々なものが買える“優しい”商業施設が必要だろうと考えられていました。

こうしたニーズの変化に対応するには、生活必需品やサービスをコンパクトに、かつワンストップで提供する商業施設、すなわちNSCという業態が最適です。地域での買い物を充実させるNSCを開発することは、社会的要請に応えるという意義を持つのではないか。消費者のニーズに着目する中で、そう考えるようになりました。

一方、商業施設を開発する事業者にとっても、①NSCは小さな商圏で成立するため、開発余地のある用地が比較的多く、また、都市型立地のようにホテルなどの他用途と用地取得上の競合が生じにくい、②低層・小規模であるため工期が短く、建設に関わるコストやリスクのコントロールをしやすい、③生活必需品・サービスの提供が中心のため来店頻度が高く安定した収益が見込まれる、といったメリットがあります。

NSCには、消費者サイドの利便性、事業者サイドの収益機会、双方を高めるポテンシャルがあると判断し、東京建物としてNSC業態のブランド立ち上げを決め、相模原を1号物件としました。

「みんなで共有できる場」だから、minanoba

NSC業態のブランドのコンセプトは、日常生活を支える生活必需品とサービスがワンストップで揃う「暮らしのインフラ」です。特別な日に出かける場所というよりも、「利便性を提供し、毎日気軽に地域の皆さんに使ってもらえるような施設を目指す」という意図を込めました。

そして、そのコンセプトを表現する新ブランド名を「minanoba」としました。地域の方々が「みんなで共有できる場」=「皆の場」から付けた名称です。

minanobaロゴ

minanobaのロゴは、東京建物のコーポレートカラーであるグリーンを基調に、余白部分に「皆」の「M」と「場」の「B」が、じんわりと浮き上がって見えるデザインになっています。大きさの異なる図形の配置は、minanobaを訪れる人の多様さ、minanobaが提供するモノ・コトの多様さを表現し、カラーのグラデーションは、minanobaが地域密着型の商業施設として地域の皆さんから愛され、まちとともに育つ施設になってほしいという願いを表しています。

ブランド名も、ロゴも、「毎日気軽に訪れてほしい」という思いを象徴するものになりました。

理想的なテナントミックスとなったminanoba相模原

minanoba相模原1
minanoba相模原2

minanoba相模原が地域の皆さんに愛され、本当に「暮らしのインフラ」になれるかどうか。その最初の難関は、どのようなテナントを招致できるかです。これまで東京建物は、北関東最大級のRSC(Regional Shopping Center)「スマーク伊勢崎」(群馬県伊勢崎市)や、都市型商業施設「FUNDES」シリーズなど、多様な商業施設の開発・運営を手掛けてきましたが、郊外に立地するNSCの開発は初めての挑戦でした。

その挑戦を強力にサポートしてくれたのが、グループ会社の「プライムプレイス」です。プライムプレイスは、全国の多種多様な商業・複合施設において、プロパティマネジメント、テナントリーシング、販売促進など、多岐にわたるサービスを提供。70を超える商業施設の運営実績がある会社です。

開発を進めるにあたり、プライムプレイスと二人三脚で、minanobaのコンセプトに合った、その地域にふさわしいテナント構成を検討していきました。そして、核テナントとなる食品スーパーに加え、生活密着型の専門店としてドラッグストアや100円ショップ、総合衣料店、飲食店、クリニック、英会話教室などの出店が決まりました。

minanobaが目指したのは、コンビニより食品がリーズナブルで幅広く揃い、店舗をはしごすることなくワンストップで生活必需品が手に入り、大型ショッピングセンターより身近で気軽に行ける、そんな理想的なテナントのラインアップです。

実は、minanoba相模原には、日本で初めて導入された設備があります。それは、スマートフォンと連携したユニバーサル自動ドア「ミライロドア」です。

ミライロドアは、利用者がスマートフォンを持って自動ドアに近づくと、案内音声による誘導やドアの開放時間・開閉速度の自動調整機能が作動し、高齢者、障がいのある方、子育て中の方など、多様なニーズを持つ方々の出入りをスマートにサポートしてくれます。

「誰もが気軽に訪れる施設にしたい」というminanobaの考え方に合致しているミライロドア。「良いものは積極的に取り入れていこう」という、新ブランドならではのチャレンジャースピリットが発揮されたといえます。

スマートフォン連携のユニバーサル自動ドアとして「日本初」の導入となったこともあり、多くの反響を呼びました。しかし、何よりうれしかったのは、minanobaが「みんなに開かれた場」であること、そして、誰もが気軽に行ける場所にするために実際に行動していくという姿勢を、ミライロドアの導入を通じて示せたことです。

minanoba相模原ではこのほかにも、この規模の商業施設としては珍しい授乳室なども整備しています。minanobaが掲げる「利便性の提供」とは、単に買い物の便利さを提供するということではなく、あらゆる人が安心して訪れることができる「アクセスの便利さ・快適さ」を提供していくということなのです。

2026年9月には、minanoba2号物件も開業

minanoba2号物件

誰もが近隣のショッピングセンターで日常生活に必要なものを、気軽に、コンパクトにそろえることができる。この便利さ・快適さを求める人は多いのではないか。minanoba相模原の中身が具体的に形になっていく過程で、minanobaが提供する価値の大きさを再認識し、minanobaに適した土地があれば積極的に開発していくことが地域社会への貢献になるはずだという思いを強く抱くようになりました。

そして、1号物件のグランドオープンに先立つ2024年12月、埼玉県川口市にminanobaの2号物件をつくることを公表しました。minanoba相模原よりやや大きく、延べ床面積は約1万㎡です。地上2階建てで、スーパーマーケットを核に家電量販店・100円ショップなどが入居し、2026年9月17日の開業を予定しています。

川口市は、東京都に隣接するベッドタウンとして、日常生活に必要なものがワンストップで揃うコンパクトなショッピングセンターが望まれていると想定される地域です。

新たな地域での開発にも追われる中、2025年3月、minanoba相模原がグランドオープンを迎えました。当初想定していた以上のにぎわいと反響があり、minanobaは順調なスタートを切りました。

しかし、地域で愛される施設になるかどうかは、これからのminanobaの成長にかかっています。お客様からいただいている声の中には、様々なご要望もあります。そうした声を、これからのminanoba相模原にいかに活かしていくことができるか、そして、minanobaの2号物件以降にいかに活かしていけるかが、「暮らしのインフラ」となるための本当の勝負どころです。

東京建物の地域密着型商業施設ブランド「minanoba」の挑戦は、まだまだ続いていきます。

担当者コメント

東京建物 商業事業部 牧 野々花
minanobaのプロジェクトを担当し、地域の皆様の「暮らしのインフラ」になるためには、単に身近な場所に立地するだけでは足りず、開業後もお客様の声に丁寧に耳を傾け続ける姿勢が不可欠であると実感しました。難しさもありますが、その分やりがいも大きいと感じています。施設として販促活動を行った際に、お客様からどういう反応があったかをテナント様から教えていただいたこともあり、その“手触り感”は、この仕事ならではの魅力だと思います。
今後もテナント様との連携を大事にし、minanobaがもっと盛り上がって、愛される施設になれればいいなと思っています。

東京建物 商業事業部 岩井 宏史
お客様やテナント様からいろいろなお声を頂戴し、まだまだ改善すべき点があると思っています。その改善すべき点にどう対応していくか、ここが私達の頑張りどころ、知恵の出しどころだと考えています。もっともっと地域の皆様に開かれた施設にしていきたいですし、行ってワクワクするものにしていきたいと思っています。
せっかく立ち上がった新しいブランドですから、シリーズを続けていくなかで、私自身もminanobaも成長できればと思っています。

TOP