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貢献するSDGs目標
オフィスビルで使用されている紙コップは、循環型社会の推進という観点から間伐材を利用するなど環境に配慮した取り組みが進められている一方で、廃棄の際は可燃ごみとして処理されるケースが多いという現状があります。
また、コロナ禍を経て、人々の意識やオフィスのあり方にも変化が生まれています。従来のリサイクルや廃棄物の削減だけではなく、社員が出社したくなる環境づくりにも注目が集まるようになりました。
こうした状況の中、東京建物では2023年3月より原則全社において紙コップの使用を廃止し、希望する全社員に対してマイボトルを配布しました。本社では年間約860kgの紙コップごみの削減が実現できる見込みであり、自社オフィスでの「廃棄物の排出量の削減」「廃棄物のリサイクル促進」に積極的に取り組むことで、東京建物グループがマテリアリティの一つに掲げる「循環型社会の推進」に貢献します。さらに、このような取り組みを通じて社員一人ひとりが日常的に環境問題への意識を高めることも非常に重要だと考えています。
異業種5社がコラボレーション。マイボトル普及を実現
紙コップの使用廃止とマイボトル配布に至った背景には、2022年4月から5月にかけて東京建物、サーモス、パナソニック、アペックス、味の素AGFの5社が協働して行った実証実験の存在がありました。マイボトルの利用促進による紙コップごみの削減を目指し、約300名の社員が勤務する東京建物本社の1フロアを対象として行ったものです。
この実証実験では、アペックスが開発したコーヒーマシン(コーヒー豆はアペックスと味の素AGFが商品化)をオフィス内に設置し、社員はサーモスが提供するマイボトルにてコーヒーなどを飲用しました。
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飲用後のボトルの洗浄は、パナソニックが提供するマイボトル専用自動洗浄機にて行いました。自動洗浄機は、1回およそ1分でボトル内部とフタを同時洗浄できる高速型と、複数ボトルの同時洗浄・乾燥が可能で「ナノイーX」により清潔に保管できる卓上型を用意しました。
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このように、単に紙コップの使用を廃止するのではなく、マイボトル導入の課題となる洗浄の手間を解消するとともに、社員が美味しいコーヒーでリフレッシュすることができる環境を用意し、無理なく廃棄物削減を実現できるかという観点で利用状況をモニタリングしました。
結果として、1ヶ月で約25kg、年間に換算して約300kgの紙コップごみの削減を実現し、実証実験後に行った社員アンケートでも環境への取り組み意識の向上がみられるなど、一定以上の効果が確認できました。
この実証実験もきっかけの一つとなり、前述の2023年3月からの全社展開が実現しました。運用の都合上、自動洗浄機の常設は見送られましたが、マイボトル利用の定着により紙コップごみを削減することができました。
一人ひとりが、できることからコツコツと
東京建物グループは、事業を通じて「社会課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で両立することを目指しています。様々な事業を通じてサステナブルな取り組みを推進していくためには、社員一人ひとりが日頃から社会課題の解決に向けた意識を持つことが大切です。「マイボトルを持つ」ということは小さな一歩かもしれませんが、このような取り組みをきっかけに、できることをコツコツと積み重ねながら、これからもサステナブルなまちづくりを推進してまいります。
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